(74)記憶
2012/01/12
記憶と言っても、いろんなパターンがあります。着目点によって、短期記憶、長期記憶など保持する時間によって分類することもあれば、感覚記憶、手続き記憶、陳述記憶など、記憶が形成される過程の違いによって分類することもあります。
感覚記憶とは五感を通じて瞬時に保持された記憶、意識することで長期記憶化できます。手続き記憶はドアの開け方や自転車の乗り方など言語を介さない記憶。その反対が、陳述記憶。陳述記憶は、多くの学習ような言語を介しての記憶。
さらに、最高位に位置づけられるのが、エピソード記憶。自分にまつわる、生活の中でのちょっとした話(つまり、エピソード)として、ストーリー性のある事象の記憶です。これは人間だけの記憶で、忘れることはほぼありません。
例えば、九九は暗記、つまり、短期記憶ですが、イラストとセットで記憶すれば、長期記憶。そして、「今日は七の段を覚えたからパーティよ」とママ作詞パパ作曲の七の段の唄を家族で歌えば、感覚記憶にも記述記憶にもなります。
それが心に残る楽しいイベントであればエピソード記憶となり、いつまでも記憶に。ここでお伝えしたいのは学者によって異なる学問的な分類ではなく、ご家族で楽しく休日を過ごすことは、お子さんにとって、エピソード記憶の契機となる、ということ。
それが、記憶の段階を高めていく素晴らしい訓練になります。子供の脳は可塑的(≒変わりやすい)ですから、そんな機会が多いとエピソード記憶を作りやすい脳になります。寒さを吹き飛ばす、楽しい休日を。
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