(311)平昌五輪
2018/03/09
閉会間際、高木家のおねえちゃんの金、そだね~ジャパンの銅。この親しげな表現に集約されるように平昌(ピョンチャン)五輪は日本選手の素晴らしい活躍で明るく華やかに幕を閉じました。
個々の選手の逸話や感動の話は松岡修造氏に委ねるとし、脳科学の見地から特筆したいのは2点。
まず、選手の雄弁さ。2002ソルトレイクシティ五輪で日本人選手のコメントの稚拙さが非難されたことがあります。総じて、外国の選手は表現力が豊かで、喜びや感謝を述べるだけでなく、自分の理念、人生観までをも語るが…などの指摘。そこで、文科省や各競技団体がテコ入れし、トップレベルの選手は子供たちの模範となるべく、言語表現のトレーニングも課せられているそうです。その成果か、心に響くスピーチが選手本人から多く聞けたように思います。
次に、科学的トレーニングの進化。従来のような精神論ではなく、乗り越えられぬ壁を多くのデータから分析し、科学的論拠に基づき、術を尽くす。小平選手は研究者顔負けのアナリスト。
言語表現と科学的アプローチ、この2つは文科省も、21世紀を生き抜く力として、今後の指導要領に最重点を置く項目です。この2つをコントロールする役割は脳の前頭前野が担います。この領域が最も伸びる時期は5,6歳ぐらいから12歳、ピークは10.5歳。遺伝の影響は低く、後天的な訓練で鍛えられます。それこそ教育者のカンではなく、科学的データを礎に伸ばすべきです。
日本の若者が着実に進歩していることが感じられる平昌五輪だったように感じました。
ツイート2018/03/09