(82)親として
2012/02/29
今年の冬はとても厳しいように感じます。凍てつく寒さのある日、めったに読むことのない新聞の投書欄に目が留まりました。工事現場近辺の交通整理などの警備に従事している50代の男性からのものです。
「この季節の寒さは身にこたえる。初老の私には耐え難い、仕事場から逃げ出したい。でも、『寒い中、ご苦労様です』などと声をかけてくれる人がいる。そんな励ましを受けると元気が沸き、事故防止のために旗を振る手に力が入る」という主旨。
ショックでした。私は、自分の子がおおらかなやさしさや包容力のある人間に成長することを願い、育ててきたつもりでした。そのつもりで、いろんなことを伝えてきました。でも、鑑であるはずの親として、的外れのバカ者でした。
私は、警備の人たちにそのような暖かい声をかけたことがありません。感謝の気持ちすら持ったことがありません。彼らはやるべき仕事をしているにすぎない、などと意識し、誘導ミスにイライラし、怒鳴ったことさえあります。
そんなマズイ見本で、深いやさしさが育まれるわけがありません。乱暴な言葉が、寛大さや包容力につながることはありません。わかっているはずなのに…。ごめんなさい。心を入れ替えます。まだ、間に合うかもしれない。
ツイート2012/02/29