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(87)性教育

(87)性教育

2012/04/01

私が運営する速読聴教室(朗読CDを聞きながらの読書)で、新中1Aくんママからの質問。重松清の短編集「日曜日の夕刊」の中の一編に性描写が過激なものがある。「その一編は読まずにとばしなさい」と言うべきか、否か。私の意見は?というもの。

朗読CDを提供する会社は、青少年を対象とするの厳格な審査を通じ、一部の性描写が伴う作品もコンテンツに加えることがある。その審査を信頼し、当教室も教材を提供している。さらに、脳の発達面からのコメントを添え、返信した。

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快楽は脳内にドーパミンという脳内ホルモンの分泌を促す。ドーパミンは中脳の腹側被蓋野から発し、前頭前野・海馬・運動野・運動連合野など脳の中核へと広がる。その結果、脳の全体の機能が向上。つまり、快楽は脳に好影響をもたらします。

でも、ドーパミンは依存症につながることがあります。大人はセロトニンなどホルモン分泌もバランスよくなされるので、調整もつきやすく、さらに社会性や知識が抑制要因に。子供はホルモンバランスも調っておらず、欲望を十分にコントロールできない。

だから、子供の性行動(誘発要因)、飲酒、TVゲームなどは社会的に/教育的に大人がコントロールすべき。脳生理学的に考えると、Aくんが文学作品の一部に出てくる性描写で依存的な性的行動に傾倒してしまう可能性は低いと思われます。

個人的には、性教育などの特別な形ではなく、思春期前から日常生活の中で、自然に性のことを知っていくことが良いように感じています。もし、私がAくんの父なら、問題の一編のことは性に触れる良い機会と考えて見過ごします。家族の日常的な話題にできるのは数年かかるかもしれませんが。

不愉快に思われることをお伝えしたのならお許しください。基本的には、ご家庭のご意思に委ねたいと存じます。このようなことを考える機会を与えてくださったことに感謝いたします。

ツイート2012/04/01

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