(227)足かせ
2015/08/26

5歳男児の入会体験授業。入会した子供には、いくつかの検査を施し、脳の各領域の発達度合い/パフォーマンスを詳しく調べる。そして、一人ひとり別個のカリキュラムで頭脳開発トレーニングを進めていくのが、ウチ本来のスタイル。
でも、体験授業にやってきた子供には何のデータもない。だから、あらかじめ用意した教具、教材への反応を指導員が細かに観察して、柔軟に内容を変えていく。
今日はポンポン変えている様子。母親と話しながら、私も教室をチラ見。明らかに訓練の形跡。小学受験用の課題やプリントを難なくこなす。でも、総じて遅く、覇気がない。やらされ感オーラ。
口の重い母親にキラーパスを放ち、状況を聞き出す。
1)お受験専門塾に1歳から通っている 2)効果も感じ、楽しげだった 3)受験も近いので、塾の誘いのままに通塾回数を増やした 4)ところが逆に模試の成績は下がり、通うことを非常に嫌がるように 5)その塾を辞めていいものか、受験はどうするか、と悩み、ネットで探し探して、ウチに。
ざっくり申せば、どんなことでも子供は指導を受ければ大抵良くなる。繰り返しやれば、できないことができるようになる。
でも、ポイントはやることの意義(後述)と伸びる効率。意義あることでも、なかなか上達しないと楽しくない。
彼は指示をこなし、上達を知らず喜ばず。やらされている、という気持ちで訓練を重ねても何のメリットもない。ちょっとの伸びでは楽しめなくなる。乗り越えた喜びを糧にしているわけではないのでストレス耐性も向上しない。大きな足かせになり、将来の禍根となる。
少しだけど、うまくなった、うれしい、それだけで子供の脳にはプラス。うれしいから、またやってみようと、ドーパミン好循環につながる。
子供を足かせから、解き放ってやらねば!
ツイート2015/08/26