(157)図形・空間認識力
2013/08/19
先日、ある私立中高の塾対象のセミナーに参加。国立大や難関私立大合格者を多く輩出している上位校。今年の自校の入試を解説しながら、受験生の傾向を分析。中学受験者の算数・高校受験者の数学では、くしくも同傾向があったそう。
計算や基本的な文章題では差が付かない。難度の高い文章題は正答率が低い。その結果、合否を分けるのは、図形、特に空間図形の分野、との解説。紙工作や粘土を使って実際に空間図形を作り、イメージする力を養う対策をしてください、
と、学校側からセミナーに参加している各学習塾に依頼or提案? でも、塾がそんな手間のかかる、効率の悪いことをするのかな?大手塾では、過去問の膨大なデータから、生徒に多くの問題に取り組ませ、解法パターンを暗記させる、つまり、スキルトレーニングで乗り切らせようとする。
そんな詰め込み学習に対する反感から、若くて真面目そうな数学教師は、木で鼻をくくったような提案を?あるいは、自校生の空間イメージの乏しさから、そんなことを考えたのでは?
最近の流行は、大手塾が少子化対策として低学年に触手を伸ばし、図形プリント的なものをさせること。これはどうでしょう?
図形認識力、空間認識力は手続き記憶(言語を伴わない記憶)と深い関連があるので、プリント的なものでは…。また、ドンドン前向きに取り組める子なら、好結果が期待できるかもしれませんが、ちょっと基本能力が低い子や学習習慣ができていない子はヤラサレ感が強まり、ストレスを溜めていくだけでは?
基本的な図形/空間認識力の伸びのピークは7歳と言われていますが、この分野の問題への対応はイメージ力、論理的思考、直感判断力などの基本能力に加え、段取り立てて対応する力や持続集中力なども求められます。ですから、図形空間への対応力は個人差が非常に大きく、合理的な計画に基づく個別の対応が必要です。
本音を言えば、図形・空間認識力を効率よく伸ばしたい方は、お子さんが小さいうちに、チャイルドへきてほしい。
家庭では、手を使う積み木やブロックなどの玩具で遊ばせてほしい。最近は、いろんな玩具、教具が販売されているので、プロも使いたくなるものがよくあります。成長に合わせて、玩具を買い換えていくことをお忘れなく。
ツイート2013/08/19