(259)ガイドさん
2016/07/02
子供が成長し、親が鬼籍に入り、最近は行楽も夫婦だけのことが多い。楽しみ方も変わる。その一つがガイドさんに頼ること。植物園や歴史ある街を散策するとき、ボランティアのガイドさんに案内を乞う。
気ままに散策、自然をそのままに感じる、っていうのも悪くはないが、ちょっと知識のある人の手を借りると、近眼の人が初めて眼鏡を手にし、世界が変わるように今まで見えなかったものが見える、気づく、理解できる。
自由にしていたのでは、ありえないレベルで、世界が広がる。美術館の音声ガイダンスも同じ。情報が楽しさを倍増。それに、ちょっと二の足を踏むような暗いところや急な坂でも他の参加者やガイドさんと一緒なら見栄張って行けるんだね。
これを脳のメカニズムに照らし合わせると、自由な散策は、感覚的な認知、つまり、感覚記憶。五感を通じて瞬時に、何の苦労もなく記憶される。
ガイドさんとのツアーは、陳述記憶。これはレベルの高い(高階層の)記憶。他の事象や記憶と関連付けやすいので、深く、広がっていく。学校の成績と関係ありそうなのは、もちろん、陳述記憶。
だったら、小さい頃から、陳述記憶トレーニングに励んで天才!
とはならない。感覚記憶は記憶の入り口。幼児から、7、8歳まではいろんなことを感じ、言語化して五感を磨く=感覚記憶を鍛える。
並行して、学ぶ+知る喜びを感じ、知識を重ね、好奇心を広げ、経験の開放性(ワクワクする気持ち)を高める。
そんなことを繰り返すうちに、深く広くの陳述記憶を形成する力が鍛えられるっていうわけだ。
そう、ガイドさんとの楽しみは、感性発展途上のガキや若いモンにはわからない大人の楽しみ、って言えるのかも。
ツイート2016/07/02