(417)ポスト・マスク
2021/11/05
友人の美術教師の話。中1の授業で、キュビズムの自画像:ピカソみたいな、いろんな方角から見た自分を描いてみよう、というテーマ。
まずは、自分を見てみよう、と制携帯(私学なので)で前から自撮り。横から、斜めから、は他の生徒撮影。ところが、マスクを外すように指示しても、生徒はグズグズ、マスクを外さない。何回も「マスク外してよ、自分の顔撮るだけやん。」と優しく誘導しても、まだ逡巡。
よくよく尋ねると「マスク取るのが恥ずかしい」。入学以来、友達や先生に顔をじっと見られたことなどなく、見られるのが恥ずかしい。食事も、みんな前向いて、マスクしたままでマスク浮かして、黙食、だそう。
マスクは不愉快。外すと解放感。そんな大人の先入観は、コロナの2年で培われた子供たちの価値基準と大きくずれているようだ。常識を安易に押し付けず、認知バイアスにとらわれず、子供たちを正しく導いていくことが、ダイバーシティ、多様性の時代、令和の大人が担うべき新しい義務なんだろうなぁ。