(300)描画
2017/10/19
子供は皆、生まれながらの芸術家だ。
問題はいかにして芸術家であり続けるかと言うことだ。 パブロ・ピカソ
総じて子供は描画、お絵描きが好きですが、年齢とともに、だんだん描く機会が減り、だんだん描くことが楽しめなくなってくるようです。どうしてでしょう?
描画は頭に浮かぶイメージを表現するための、子供にもできる数少ない行動のひとつ。描画に代表される絵画的知性は多重知性フレーム理論(知性は総合的ではなく、複数の知性が並列階層的に成立し、脳の複数領域への刺激が脳の機能を高めることにつながる)の主要なフレームのひとつで、脳の健全な発達に不可欠と考えられています。
ところが、成長とともに認識力が向上。自分のイメージが描画では十分に表現されないことに気付くのかもしれません。それを残念に感じ、絵を描くことがだんだん好きではなくなってくる。そうなれば、描画を通じてプラス感情を持てなくなり、脳の発達にも寄与しなくなる。いつまでも創作活動を愛する、少数の表現者だけが芸術家であり続ける、という次第でしょうか。
でも、表現だけがすべてではありません。素晴らしい芸術に触れる、鑑賞することからも、高揚感などのプラス感情を抱くことは可能です。これは、脳にプラス。芸術の秋、描画の喜びを無くしつつある子には素晴らしい美術作品に触れる機会をあげてはいかがでしょう?
ルノアール 「本を読む少女」:オルセーができる前、パリの印象派美術館で1時間以上この絵の前で佇んでいました。ルノアールは苦手でしたが、一瞬でファンになりました。今、この絵はオルセー美術館にあるのかな?
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