(390)すいっちょ
2020/09/15
庭に出るのは
待ちましょう
げたに 小さな先客が
すいっちょ すいっちょ
小学生の言語トレーニングの一環で登場した詩の一節。秋の夕暮れ、庭に出ようとすると、庭用の下駄の上に緑の虫が。スイーッチョン スイーッチョン ウマオイの優しい調べ。じっと耳を澄ませてみよう。という状況でしょうか。
庭、げた、という言葉で和風の庭、縁側、庭に出るための石(沓脱石、踏台石などと言うそう)などが大人(少なくとも昭和生まれ)には簡単にイメージできますが、子供にはどうでしょう。実体験や書物、アニメ、などのメディアを通じて接した経験がなければ難しいかもしれません。
一方、すいっちょ、って秋の虫の音かな、と子供でも類推することはできるかもしれません。たとえ、すいっちょ=ウマオイの知識や経験がなくても。文部省唱歌の「虫のこえ」(正しくは、蟲のこゑ)の2番にウマオイは登場するのですが、そこまで知らなくても、この歌は、類推のサポートを強くしてくれるでしょう。もし、秋の虫の音を聞いたことがない、聞いてはいるが関心を向けたことがない、とすれば、この詩は全く理解できないかもしれません。
子供の想像力は体験や情報が育んでくれます。それをサポートするのは大人の役割。応援してあげましょう、脳にプラス!
ツイート2020/09/15