(304)今いない子
2017/12/06
ストリートチルドレンを見かねて、食べ物を差し出すと、少年は礼儀正しく感謝を述べ、食べずにしまおうとする。腹ペコだろ?食べないの?少年は、3歳の妹と一緒に食べます、と。どこかの国ではなく、日本の話。
戦後間もなく、GHQの通訳として来日した日系米人(後のアジア系初のハワイ州知事)は、この国は必ず逞しく立ち直る、と確信したそうだ。webニュースにこんなエピソードが紹介されていた。
凜とした少年の話に私は感動したが、コメント欄には、こんな子、今はいないよ。
その少年は想像を絶する厳しい環境の中でも礼節を忘れず、弱きものを思いやる優しさや包容力を持ち続けていた。過去の幻想、現代にはありえない状況、こんな子いない、などとうそぶいても無意味だ。
どんな条件下でも、家族や友人、見知らぬ他人のことを思いやることのできる子を育てよう。どうすれば育てられるか考えよう。まず、親子、夫婦、兄弟。家族を大切にすることから始められそうだ。
いろんなことを思い巡らすことができる。それぞれの行動の価値を客観的に判断できる。論理的に取捨選択できる。自己中心的にならず、相手の考えを理解する、少なくとも想像できる。
そんな子を育てたい。いない、じゃなくて、育てよう。
大人は大人で、公平な、正しき者が報われる社会を作っていかねば。アンフェアなことを許す社会は子供たちの生きる力を奪っていく。
子供たちが強く正しく生きていくよう導いていく、応援していくのが大人の義務だ。
ツイート2017/12/06